カーボンファイバー入りPETG:記載値と推奨ノズル
カーボンファイバー入りPETGは、剛性とマットな仕上がりをうたって紹介されています。このページでは、Spectrum PET-G Carbonのシートを検証します。公表値、規格、試験片、推奨ハードウェアです。この10%ファイバー配合品を、別の設定を示しAMS互換性をうたう3%のThe Filament PETG CFと区別します。一方のグレードの特性はもう一方に転用しません。
結論
Spectrum PET-G Carbonのデータシートによると、このグレードは10%のカーボンファイバーを含み、3Dプリントで作製したISO 527-1試験片での弾性率4250 MPa、破断伸び4.90%を記載しています。シートはルビーまたは硬化ノズルを推奨し、密閉チャンバーもドライボックスも不要としています。これらの値はこのグレードと、十分に記述されていない試験片条件に属するもので、メーカーは参考・比較用だとしています。3%のThe Filament PETG CFは独自の設定を持つ別の製品で、そのページにはAMS互換性の記載がありますが、確認した本文には機械的特性の数値はありません。
Spectrumのデータシートに実際に公表されていること
SpectrumのPET-G Carbon技術データシートは、PETGベースに10%のカーボンファイバーを配合したフィラメントについて記載しています。資料によると、ファイバーにより純粋なPETGよりはるかに高い剛性、硬度、引張抵抗が得られ、ベース材料に特有の低い収縮率と良好なビルドプレートへの密着性は維持されます。データシートは、機械的特性値が成形品ではなく3Dプリントした試験片で測定されたと明記しています。この点は重要です。数値はメーカーの条件で造形した部品を表すもので、原料ポリマーそのものではありません。
すべての特性は規格と結び付いています。比重はISO 1183、引張試験はISO 527-1(試験速度5 mm/min)、シャルピー衝撃はISO 179-1eU(80 x 10 x 4 mmの試験片)、VICAT軟化点はISO 306に準拠しています。データシートに記載がないのは、試験片の造形方向、積層ピッチ、インフィルです。これらの数値は目安として読むべきで、メーカー自身も免責事項でまさにそう位置付けています。データは参考・比較目的のみを意図しており、設計仕様や品質管理に使用すべきではないとしています。
弾性率、伸び、衝撃:試験ごとに分けて読む
公表されている弾性率は造形した試験片で4250 MPa、破断時引張強さは45 MPaです。測定された破断伸び4.90%はその試験片とその条件でのもので、特定の部品がどれだけ変形するかを測ったものではありません。シートはデータを目安かつ比較用としており、実際の部品がどう破損するかは予測できません。
ISO 179-1eUによるノッチなしとノッチ付きのシャルピー試験片は、それぞれ17 kJ/m²と5.4 kJ/m²です。この差は記載された試験片と方法に属するもので、シートは特定の形状が造形部品にどう影響するかを数値化していません。Vicat軟化点は、荷重50 N、昇温速度50 °C/hで80 °Cです。
硬化ノズルまたはルビーノズル:推奨事項と構成の確認
PET-G Carbonのシートはルビーまたは硬化ノズルを推奨としており、公表設定は0.4 mmノズルを前提としています。その理由の説明はなく、推奨を必須とも呼んでいません。The Filament PETG CF 3%のページも、その別製品についてルビーまたは硬化ノズルを推奨としています。これで推奨が要件になるわけでも、両製品がすべての制約を共有していることが証明されるわけでもありません。
スプールを買う前に、プリンターについて3点を確認してください。取り付けられているノズルの材質、Spectrumの推奨に従う場合に互換性のあるノズルが入手できるか、そしてプロファイルで使われている径です。ノズルガイドでは一般的な選定基準を扱っています。PET-G CarbonのTDSはルビーまたは硬化スチールを推奨していますが、タングステンカーバイドには言及していません。交換用ノズルはそのメーカーに確認してください。データシートにある耐摩耗性向上という特徴は造形部品についてのもので、ノズルの摩耗についてではありません。
公表されている造形設定:温度、冷却、速度、エンクロージャー、保管
PET-G Carbonについて、データシートはノズル温度230〜255 °C、ベッド温度60〜80 °Cを記載しています。パーツ冷却ファンはオンで、最大100%です。推奨造形速度は30〜70 mm/s、積層ピッチは0.05〜0.30 mm、シェル厚は0.40〜2.70 mmで、これら3つの範囲は形状の複雑さに依存すると注記されています。メーカーは、密閉チャンバーもドライボックスも不要としています。
ここで述べるのはデータシートの記述に限ります。このグレードには密閉チャンバーもドライボックスも不要です。同じシートは、湿気、日光、直接の熱を避け、室温(理想は18〜25 °C)で乾燥保管することを推奨しています。その条件での保存期間は24か月としています。ドライボックスの推奨がないことを、あらゆる能動的な乾燥方法についての結論にしないでください。
PET-G Carbon 10%とThe Filament PETG CF 3%:2つの異なる製品
Spectrumは、PET-G Carbon 10%とは別に、ファイバー3%のThe Filament PETG CFも扱っています。そのページはこの製品の設定を公表し、ルビーまたは硬化ノズルを必須ではなく推奨としています。AMS互換性や宣伝用の用途例に触れていますが、確認した本文にはこのグレードの機械的特性の数値はありません。10%製品の弾性率4250 MPaを3%の製品に当てはめないでください。
The Filament PETG CF 3%について、ページにはノズル240〜265 °C、ベッド60〜80 °C、40〜200 mm/s、冷却75〜100%と記載されています。エンクロージャーとドライボックスは不要とも書かれています。これはその製品の公表設定であり、すべてのプロファイルやプリンターでの結果を約束するものではありません。AMSに関する記述はすべての世代や構成を詳述していないため、製品を選ぶ前にご自身の環境との対応を確認してください。カーボンファイバーフィラメントガイドでは、ほかの配合品も位置付けています。
部品の寸法設計の前にデータシートのバージョンを確認
PET-G Carbonのデータシートの作成日は2022年4月です。数値を仕様書に写す前に、メーカーから最新版をダウンロードして日付を比較してください。配合変更や新たな試験で値が変わる可能性があります。メーカーは、実際の値は造形条件、モデルの複雑さ、環境条件によって変わると書いています。
試験の再現を試みるには、造形方向、インフィル、試験片の壁数といった情報がまだ不足しています。シートにはここで試験温度も示されていません。メーカーが示す資料上の位置付けに合わせ、値は目安として扱ってください。荷重がかかる部品では、用途に応じた合格基準と検証を定めてください。自宅でサンプルを観察しても、これらのデータが設計仕様になるわけではありません。初期費用ツールでは、ノズルの購入を必須にしたり価格を捏造したりせずに、選んだ機材を記録できます。後でハードウェアを変更したときにサンプルの比較で分かるよう、実際のノズルの種類と径をその記録に含めてください。
出典と限界
- Spectrum — PET-G Carbon技術データシート、2022年4月6日
- Spectrum — The Filament PETG CF 3%、製品情報と造形ガイダンス
当サイトはメーカーとコミュニティの資料を整理したもので、これらの製品を自分たちで実測したわけではありません。お使いの機種の取扱説明書が、一般的なガイダンスより優先されます。
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