ビルドプレート用接着剤:密着補助または剥離層
スティックのりは3Dプリント用アクセサリーの一つとしてよく挙げられますが、その役割は材質と表面の組み合わせによって異なります。文書化された組み合わせの中には密着性を高められるものもあれば、Prusaがシートを保護する分離層として推奨しているものもあります。このページはPrusaが文書化した方法に従います。材質・シート対応表を確認し、製品を塗布または除去する前に、該当するシートの説明書を確認してください。
結論
ビルドプレート用接着剤は、フィラメントとプレート表面によって2つの異なる役割を果たします。パーツが浮き上がるときは密着補助として、パーツが強く貼り付きすぎるときは剥離層として働きます。Prusa Knowledge Baseによると、清潔なスムースPEIシート上のPETGは非常に強く接着し、取り外す際にコーティングが剥がれることがあるため、Prusaは分離層としてPVAのりを塗ることを推奨しています。同じドキュメントには、一般的なPVAスティックのりで十分であること、PLAには通常不要であること、そして何にでものりを塗るのではなく、メーカーの材質・シート対応表に基づいて判断することが記載されています。
1本のスティックのり、正反対の2つの役割
文房具店で買える普通のPVAスティックのりという同じ製品が、相反する2つのことを行えます。1つ目は明白で、密着性を高めて、浮き上がり続けるパーツを固定することです。2つ目は、Prusaが特定の材質と表面の組み合わせについて文書化しているもので、薄い中間層を形成し、パーツをコーティングではなくのりに接着させることです。Prusaのドキュメントは、のりを密着性を高めると同時に保護用の分離層を作る手段として説明しています。
PETGは典型的なケースです。Prusa Knowledge Baseによると、このフィラメントは清潔に脱脂されたスムースPEIシートに非常に強く密着し、取り外しが極めて困難になります。パーツを引き剥がすとPEI表面が剥がれ、シートに元に戻せない損傷を与えることがあります。ここでののりは、パーツを貼り付けるためではなく、貼り付きすぎを防ぐためのものです。
ですから、何かを購入したり塗布したりする前に、次の順序で考えてください。パーツは浮き上がっていますか。それともPEIビルドプレートのコーティングを一緒に剥がしてしまうおそれがありますか。答えは材質と表面の組み合わせによって決まり、製品名だけからは判断できません。
材質と表面の対応表:メーカーの表による方法
Prusaは仕上げの異なる複数のばね鋼シートを販売しています。スムース、テクスチャード、サテン、そしてPAナイロン専用シートです。仕上げごとにパーツ底面に異なるテクスチャーが残り、対応する材質も異なります。ドキュメントは、すべてのシートとすべてのフィラメントを照らし合わせた材質対応表を案内しています。この表こそが本当の判断材料です。
読み方はシンプルかつ厳格です。緑のチェックマークはその組み合わせがそのまま使えることを示し、表面を脱脂して造形します。黄色の感嘆符は分離層が必要なことを示し、Prusaはこれを省くとシートを損傷するおそれがあると警告しています。赤いXは、材質が表面を傷めるおそれがあるため、造形してはいけないことを示します。
この考え方はPrusaが記載するシートと材質に固有のものです。他社のプレートやコーティングに自動的には当てはまりません。他メーカーのプリンターをお使いの場合は、Prusaの表をそのまま写さず、そのメーカーのドキュメントを参照してください。不明な場合は、製品を塗る前に材質と表面の組み合わせを確認してください。
剥離層が必要な材質
Prusaの初期層トラブルシューティングページには明確なリストがあります。メーカーの経験によると、PLAにのりは不要です。ポリアミド(ナイロン)、PETG、ポリカーボネート、PET系材料、ABS、ASA、その他の特殊な材料、フレキシブルフィラメントには望ましい場合があります。PETG、ABS、ASA、XT、CPHは、スムースPEIシートで密着性が強すぎることがある例外として挙げられています。
これらの材質の共通点は浮き上がることではありません。スムースPEI上でPLAとは異なる挙動を示すことです。PETGフィラメントについて、Prusaは率直に述べています。イソプロピルアルコールでスムースシートを清掃し、分離層なしでPETGを造形すると、造形物は非常に強く密着し、取り外しが極めて困難になることがあります。ベッドが清潔なほど造形がうまくいくという通常の感覚が、ここでは逆効果になります。
ABSとASAについて、Prusaは記載のケースではのりが望ましい場合があるとしており、具体的な役割はシートと材質によって異なります。フレキシブルフィラメントについては、分離層を塗る前に材質対応表の該当欄を確認してください。これはPrusaのシートに関するリストであり、他のコーティングでは挙動が異なる場合があります。
メーカーの手順:清掃、塗布、除去
この説明書が対象とするPrusaのスムース、サテン、テクスチャードの各シートについて、メーカーは濃度90%以上のイソプロピルアルコールまたは変性エタノールを使い、冷えた表面を無香料のペーパータオルで脱脂する方法を説明しています。化粧品は油分を含むことがあり、ここでは適しません。この準備方法では、表面と道具が清潔なままであれば、造形のたびに清掃する必要はありません。PAナイロン専用シートには独自のルールがあるため、この清掃手順を当てはめないでください。
次は塗布です。基本的なPVAスティックのりで十分で、3Dプリント専用ののりは必要ありません。通常は薄い層で足ります。厚い層はパーツの底面に凹凸や跡を残しますが、見た目があまり重要でない機械部品なら、少し厚めでも問題ありません。PVAのりは比較的低温で溶けるため、Prusaは冷えた表面に塗ることを提案しています。スムースシートでは、グリッドを使ってパーツの接地面の下にだけのりを広げてください。
Prusaは、造形物は冷却後にのみ、シートを外してたわませて取り外すよう述べています。図にはPVA層上のPETGの白い跡があり、洗うと消えますが、シート上のすべての白い跡が無害だとは言えません。PVAのりは水と食器用洗剤で落とせます。接地面が大きい場合、ガイドはスクレーパーの補助に触れていますが、PEIフォイルが破れることがあるので優しく使ってください。Prusaは自社シートへの瞬間接着剤の使用を除外しています。
PPテープ、カプトン、ABSジュース:その他の層とその限界
Prusaの材質・シートの案内は、一般的な分離層としてPVAスティックのりとPPテープの2つを説明しています。PPテープはポリプロピレンの造形にのみ推奨されています。その他の組み合わせでは、1つの製品ですべてに対応できると決めつけず、表の該当欄とシートの説明書を確認してください。
カプトンなど他のテープも使用できます。どのテープを選ぶ場合でも、Prusaは最良の密着性を得るためにスムースシートとの組み合わせを推奨しています。テープを剥がす際にのりが残ることがありますが、お使いのシートのメンテナンス案内を確認したうえで、イソプロピルアルコールか水と食器用洗剤で洗えば通常は落ちます。
ABSジュースには明確な注意点があります。Prusaはテクスチャードシートやサテンシートには使用しないよう述べています。アセトンに関する案内はスムースPEI向けで、使用は月1回程度の時折にとどめ、テクスチャードシートやサテンシートには決して使わず、PETGの造形前にも使用しないこととされています。その他の表面については、それぞれの説明書を確認してください。
購入前に知っておきたい、のりでは代用できないこと
のりは対処法であり、設定ではありません。Prusaは、シートに製品を塗る前にPrusaSlicerのブリムオプションを検討するよう勧めています。このオプションは初期層の面積を増やします。調整を行う前に、フィラメントプロファイルの推奨温度を使用し、材質・シート対応表に従ってください。
何より、ベッド密着性の弱さを初期層をさらに押しつぶすことで補おうとしないでください。Prusaは、ノズルを低く設定しすぎるとスチールシートを損傷し、過度の振動を引き起こすおそれがあり、この損傷は保証対象外であると警告しています。初期層ガイドでは正しい順序を説明しています。まず清潔で正しく装着されたシート、次にキャリブレーション済みのノズル高さ、その後にブリムとのりです。
この方法の対象シートでIPAを使っても密着性が低下する場合、Prusaは数滴の食器用洗剤とぬるま湯(熱湯は不可)で洗い、完全に乾燥させる方法を説明しています。ガイドには、頻繁に洗わないこと、シートを熱湯に完全に浸さないことも記載されています。必ず該当する表面の説明書を確認してください。購入時は、PVAスティックのりと材質・シート対応表が求める機能を照らし合わせてください。Prusaの文章は、普遍的な価格面の優位性も、3Dプリント専用として販売されるのりそれぞれの性能も示していません。
出典と限界
- 造形面の準備 | Prusa Knowledge Base Prusa Prusa Prusa
- 初期層の問題 | Prusa Knowledge Base Prusa Prusa Prusa
当サイトはメーカーとコミュニティの資料を整理したもので、これらの製品を自分たちで実測したわけではありません。お使いの機種の取扱説明書が、一般的なガイダンスより優先されます。
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